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2017.05.28 (日曜日)

カンボジア視察に行ってきました

5月は18日・19日の二日間、佐世保市を中心に文教厚生委員会視察、21日~24日まで会派1期目議員4名でカンボジア視察に行き、30日・31日の二日間、観光振興等対策特別委員会で対馬の視察に行きます。

21日~24日までのカンボジア視察の報告書ができました。

行程

5月21日(日) プノンペン入り
5月22日(月)
①JICAカンボジア
   ②㈱フォーバルカンボジア
   ③㈱大村セラテック事務所
   ④   〃    工場
5月23日(火)
①ジャパンファームプロダクト(株)農園
②イオンモールプノンペン
      深夜 空路バンコク経由で帰路
5月24日(水) 早朝 福岡空港着

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1.カンボジア(首都プノンペン)の沿革
 東南アジアの経済成長著しいベトナムとタイ、ラオスに囲まれ、面積18.1万平方キロメートル、人口1500万人のカンボジア。
1970年代から1998年にかけてのポル・ポト政権によって隣接国に大きく後れをとったが、2000年以降、経済成長率7%で発展を続けており、首都プノンペンでは建設ラッシュで、特に中国系企業のビルやマンションの建設が進んでいる。
地震がない地域ということもあり、建築基準法がないそうで、現在のところ、訪問した「大村セラテック」やジェトロ・プノンペン事務所があるヒュンダイ・プノンペンタワーが唯一世界基準のビルということだ。
しかしながら、ベトナムをはじめとする周辺諸国に比べ、都市化率は低く、これから発展する国という面では、注目すべき点もあるように感じる。
特にメコン川の中心地として、アセアンの物流拠点として企業の立地にも注目を集めている。
 30才以下の人口が全体の66%もあり、明るく、元気で素直な性格であることと、特に親日的であることは、日系企業の進出のしやすい国であると言える。
現在はベトナム、タイに比べ、人件費が低いが、急速に伸びているそうで、2010年の最低賃金が月61ドルだったが、今年2017年は153ドルと2.5倍と急上昇していることと、国全体として教育水準が低いことも理解しておく必要があると思われる。
 今回の視察は、東南アジアの中でベトナムやタイが注目されている中で本県の建設資材関連の企業がカンボジアに進出し現地工場を建てられたことを知り、なぜ、進出先をベトナムではなくカンボジアを選んだのか、
直接カンボジアの経済情勢を視察し、本県との経済交流、人事交流の可能性を見いだすことができればとのことから、カンボジアにおける関係機関等を訪問することとした。
現地では、進出された「大村セラテックグループ」の事務所と現地工場、カンボジアでODAなどカンボジア支援プロジェクトを推進している「JICAカンボジア」、日系企業などのカンボジア進出のコンサル業務を行
っている「株式会社フォーバルカンボジア」、農事法人「株式会社ジャパン・ファームプロダクツ」、の農場と契約農家、および大型店舗「イオンモールプノンペン」の視察を行った。

■日本車やホンダのバイク
 プノンペン空港に降りて、まず驚かされたことは、バイクの多さと恐ろしいほどのきわどい運転で、事故するのではないかとヒヤヒヤさせられることだ。
 行き交うバイクは、ほとんどが日本のホンダ120CCのバイクで、車はトヨタ車やレクサスが目立つ。
 車についてはほとんどが中古車のようだが、中には大型の新車も見かけることができ、道路沿いには高額の新車が販売されている店舗もあることから、高額所得者も少なからずいることが推察できる。

■飲める水道水
東南アジアを訪問する際に、治安や食事など注意すべきことが多々あげられるが、中でも飲料水については注意が必要だと聞かされてきた。
ところが、JIKA所長の説明で、水インフラの輸出を行っている北九州市水道事業が1999年からプノンペン水道公社へ技術支援を行い、2003年完成した上水道設備の管理運営の技術支援で、現在の上水道普及率は92%に達し、水道水は安心して飲めるようになっているとのこと。
JICA所長や現地ガイドの話を信じ、勇気を持ってホテルの水道水を飲んでみたが、本当に体に異変は起こらなかった。
 現在は、下水処理の整備も始められているとのことで、東南アジアの中でも環境インフラについては先進的な地域となっていると言える。


■経済
カンボジアの産業は米を中心とした農業と農産物の加工、縫製工業、世界遺産アンコールワットをはじめとする観光産業がカンボジアの三大産業としてあげられる。
 カンボジア全体的に高低差が小さく湿地帯が多いため、雨が降ると一帯が水に浸かってしまう点と、内戦時代に仕掛けられた地雷が多く残っており、産業の柱の一つである農業の農地拡大は容易ではない。
CMCによるカンボジア地雷撤去キャンペーンも2025年地雷撤去完了を目指して活動しているが、難しいとの見方が強いとのこと。

経済面では、ODAの国際援助を活用したJICAのカンボジア支援プロジェクトによって、毎年50~60億円の支援事業への投資が行われ、経済や生活環境、医療、教育など進化を続けている。
 プノンペン郊外に設けられた工業団地PPSEZ(プノンペン経済特区)は360ヘクタール(約100万坪)もあり、中国や韓国企業をはじめ、味の素、NEC,タイカ、日本の企業も40社近く立地しているそうだ。
平均年齢が30代で700万人の労働人口があり、労働者の確保が容易なことと人件費が低いことに加え、後段で述べるが、上下水道の完備で生活環境が整っていることが注目される要因ではないかと思われる。しかし、一方でカンボジアは電気をベトナムやタイから買っており、ベトナムの2~3倍するというコスト負担も工場立地について把握しておくべきことである。
プノンペンの経済成長は著しく、全体的に都会化してきていると言える。
2014年にオープンした大型店の「イオンモールプノンペン」は、日本国内の店舗と同等の規模で、平日ながら、多くの客で賑わっていた。
2018年には「イオンモール2号店」がオープン予定で、そのコンセプトはテーマパークと言うことからも、地元の方々の関心の高さと経済成長の勢いを感じることができる。

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2.大村セラテック カンボジア

■大村セラテック株式会社の沿革
本社工場は長崎県大村市黒丸町に所在
1955年 大村耐火株式会社設立
  耐火煉瓦の製造販売
1964年 H.O.C株式会社設立
 側溝やコンクリートブロックなど建設・土木用コンクリート
製品の製造販売
1967年 大村運輸株式会社設立  
運送業、ガソリンスタンド経営
2002年 大村セラテック株式会社設立
       セラミック製品の製造をはじめ、建設工事、不動産事業その他多角的経営を行う
創業以来60年の経験と技術、中でもコンクリートに関する豊富で確かな実績を持ってカンボジアへ進出。
2016年7月 カンボジアにコンクリートブロック工場を竣工
2017年   カンボジア工場隣接地に生コンプラント建設

■大村セラテックグループ カンボジア事務所
私ども視察団は、まず大村セラテックカンボジアの事務所「OMURA GROUP」を訪問させていただいた。
事務所はJICAと同じビル「プノンペンタワー」の3階にあり、約50㎡の事務所で、日本からのスタッフと現地のスタッフの10名ほどがおられた。
家賃は25USドル/㎡で、月15万円ほどになる。
グループとして「大村セラテック株式会社」「大村コンクリート株式会社」「大村産業株式会社」があり、総合建設業として「OMURA GROUP」という看板を掲げられている。
日本語を流暢に使いこなす現地スタッフの女性は、5年間日本に留学していたらしく、知識、教養も豊かでカンボジアのことを伺うのに非常に助かった。

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■大村セラテック現地工場

大村セラテック株式会社のカンボジア子会社OMURA CONCRETE株式会社は、プノンペンから約30㎞、車で40分ほどのチェイ・ウドム村の国道沿いの9ヘクタールに建設され、コンクリートブロック、インターロッキング、側溝などのコンクリート製品を製造している。
コンクリートブロックの生産能力は1日80トンで、生産機材は日本から輸入し、国際基準に適合した製品をカンボジアでとれる材料を使って生産するという。
日本の材料ならば、何ら苦労することなく基準に適合する製品を造ることができるが、新たな土地での材料を使うため、適合する材料を調達することに苦労したとのこと。
カンボジアでは、系列会社の「OMURA INDUSTRIES株式会社」が施行を行うことで、グループ会社「OMURA GROUP」で企画提案から設計施工まで行える企業となっている。
開発が進むプノンペンとODAの経済援助によるインフラ整備や、都市開発の建築・土木など厳しい基準に適合する製品の需要に応える事業展開していくそうだ。
 隣接の生コンプラントは日本で見る生コンプラントよりコンパクトだが、生産能力は同等だそうだ。
現在、プラントの認可取得に向けて試験練りを行ってデータの抽出を行っており、間もなくフル稼働できるようになるとのことだ。

■カンボジア進出について
「大村セラテック株式会社グループ」鏑流馬社長からは、以前から東南アジアへの進出を考えているとの話は伺っていたが、今回の視察で、改めてカンボジアを選んだ経緯について伺った。
 東南アジアはODAによるインフラ整備が行われ、建設資材をはじめ、建設工事そのものの受注の可能性があり、ベトナムかカンボジアのどちらを選択するかという中において、現地の労働者の確保と国民的な性格と質が大きな要因であったとのことで、カンボジアの若い豊富な労働力に加え、性格が明るく、勤勉で、まじめな性格の方が多いと実感したそうで、ここでの記述は控えるが、具体的な事例を挙げて話してくださった。
 実際に雇用した現地職員は、まじめで、何をするかしっかりと指導するときちんと仕事をし、さらには、アイデアまで出してくるほどになってきたそうだ。
工場を訪問させていただき、我々全員が感じたことの第一に、工場で働く日本人はもとより、現地のカンボジア人の職員の皆さんが明るい笑顔で、元気に挨拶してくれたことは、鏑流馬社長の選択を裏付けるものとして実感できるものだった。
大村セラテックグループの本格的受注はこらからだと思われるが、鏑流馬社長の先見性と経験による実績で、必ず成果を上げられると確信している。
 工場視察後、せっかくとのことで社長の案内で、工場から車で20分ほどのメコン川にかかるODAで架けられたネアックルン架橋(つばさ橋)を見学することができた。
この橋は2010年119億円をかけて建設された橋で、国道1号線が陸路で結ばれ、多くの車が行き交っており、経済発展につながっている。

3.所 見

 東南アジアの中で、遅れをとっている感があるカンボジアだが、ODAの有償、無償の支援によって、経済インフラの整備・農業振興をはじめ、上下水道インフラ整備、医療機関の整備も進められ、経済成長著しい国と感じた。
 実際に前述した工業団地PPSEZ(プノンペン経済特区)を訪問させていただいたが、中国や韓国企業をはじめ、味の素、NEC,タイカなど、日本企業の看板と日の丸が掲げられているのを多く見ることができた。
 今回は視察できなかったが、この他にも多くの経済特区が整備されており、海外企業の注目を集めている。
 カンボジア通貨はリエルで100リエルが2.8円だが流通通貨として、USドルを使うことができる。
ODAに対する感謝なのか、日本への配慮なのか分からないが、500リエル紙幣にカンボジアの国旗と同じ大きさの日本の国旗が印刷してあることに驚いた。
 さて、カンボジアは主に中国や韓国との交流が盛んで、プノンペンでも多くの韓国ビルや中国ビルを見ることができたが、発展の進捗を見る限りでは、これからさらに伸びていくものと思われる。
豊富な労働力は、製造業や加工業の工場立地場所としての魅力もあり、メコン川の貨物ターミナル「プノンペン港」や「プノンペン新港」をはじめ、プノンペン空港を使っての空輸など、東南アジアの物流拠点としての利用も可能である。
長崎県では現在ベトナムとの交流に力を入れているが、カンボジアとの交流も視野に入れた取り組みがなされるべきと思われ、ぜひ、駐在員の派遣も検討され、県内企業の進出に向けての協力と進出後の支援を行うことを望むものである。

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